30代がん闘病記

2014発病・入院 → 2016転移・再入院・離婚 → 2018再出発 → 2022再々発 → 2023入院

2022/3/12 初回投薬後1週間

投薬から1週間経った。不調らしい不調は今のところない。ただ、細かいところでは、デキモノや口内炎ができやすくなった気がする。あと、気分的な問題かもしれないが、疲れやすくなったような気がするし、全体的に筋肉が軋んでいるような気もする。

とは言え、退院後も普通に働いているから、我ながら大したものである。

 

来年度から役職が上がる。今までも勿論難しい業務ではあったが、淡々と自分のペースで進めればよかったし、仕事が終わればサッサと帰宅できた。しかし、今後はそうは行かない。部署間の調整をする業務がメインとなるが、大企業は社内人脈で仕事を回していく必要があるので、僕のような中途採用には厳しいだろう。体力的・精神的に参ってしまわないか心配である。

正直なところ、この状況で出世などしたくはなかった。中途採用の病人などでなく、生え抜きの健常者を出世させてくれと思う。僕のケースを、中途だろうと、がん患者だろうと、分け隔てなく取り扱っているというポーズにでもしたいのだろうか。

もっとも、本来は病気の心配をすべきで状況ではあろうが、病気の心配ではなく、仕事の心配をしているうちはまだ大丈夫だろう。

2022/3/5 3日目(退院)

入院3日目。大きな副作用もなく比較的順調である。ということで、本日退院となった。

もう戻って来たくはないが、可能性はそれなりに高いだろう。

 

今回は体力的な負担が少なかったこともあり、今までで一番快適な入院だった。個室も取れたので、まるでホテル暮らしのようであった。また、ずっとコロナで籠っているので、会社以外の人と話したのも久しぶりだ。正直なところ、仕事もしがらみも何もかも投げ出して、ずっとこうしていたいとさえ思った。

体力的には当然消耗しているが、精神的にも大分疲れているのだと思う。

2022/3/4 2日目(キイトルーダ1回目)

今日はキイトルーダの初回投薬日である。

これまでかなりの抗がん剤を打ってきたベテランとも言える僕だが、今回は全くの未知の薬ということで、投薬前はそれなりに緊張した。個々の発生確率は低いが、以下の通りありとあらゆる副作用の可能性がある。最も確率が高く、かつ、恐ろしいのは、間質性肺疾患というヤツである。

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出典:https://www.keytruda.jp/index/side_effect/

 

投薬後5~10分が最も副作用が出る可能性の高い時間帯とのことであるが、取りあえずは何事もなく乗り切ることができた。そして、13時に投薬して、20時の時点でこの記事を書いているが、現在も特に副作用は出ていない。コロナのワクチンと言い、副作用が少ない体質のようで助かっている。

ひとまずは、最初で最大の山場は越えた感がある。もっとも、長期的なスパンで数々の副作用が出ることもあるらしいので、まだ油断は禁物ではあるが。

 

因みに、ここ数日のブログのアクセス数が急激に増えている。

やはり皆、他人の不幸が好きなのかね(笑)

2022/3/3 1日目(事前説明)

今日から入院である。5年前の退院時、二度とここには戻ってくるまいと誓ったが、残念ながら叶わなかった。入院するフロアに入ると、点滴機からの耳をつんざくようなアラーム音。5年前の苦しかった日々が思い出される。

今日は投与される薬についての説明が主であった。僕が投与される薬は、オプチーボではなく、キイトルーダとのこと。オプチーボがPD-1阻害薬の一般名称であり、その商標がキイトルーダなのだろう思っていたが、どうやら全く別の薬らしい。別にジェネリックとか類似品というわけではないだろうから、効果にはさほどの違いはあるまい。

その説明文には「腫瘍の縮小・維持を目的とする治療であり、根本的な効果を期待する治療ではありません。」という旨の注意書きがある。「そんなことは知っている!」そう叫びたくなるのを堪えて、心の中で何度も何度も繰り返し呟く。もう手札が尽きつつあるのだ。そして残っている手札は戦況を一変させるエースではなく、3や4などの場を流すだけの札に過ぎない。

 

食事に出たちらし寿司をみて気付いたが、今日はひな祭りだったのだ。

そんなことにも気が及ばない。表面上は平静を保っているつもりだが、実は僕は自分が思っている以上に追い詰められていることに気付いた。

そして、陽子線の治療をしていた頃に、恵方巻を食べたことを急に思い出した。もうあれから7年も経ったのだ。僕は十分すぎるほど頑張っただろう。色々と疲れてしまった。何度未来をこじ開けても、その度に閉じていく。

もう全て終わってもらっても構わない、と思いつつある。

そして、終わるなら早い方がいい。

2022/3/1 PCR検査

今日は入院前のPCR検査を受けてきた。オプジーボは投薬時にどのような副作用がでるか人によって全く異なるらしく、初回投薬時だけは副作用の経過観察のために、4日ほど入院する必要があるのだ。

PCR検査に引っかかると当然入院不可となる。特に体が弱ってる患者が多いがんセンターだから、これだけ慎重にやっても、やり過ぎるということは無いだろう。

しかし、コロナってのはある意味がんよりも恐ろしい病気だ。誰にも看取られることなく死んで、対面するときは骨なんて、ぞっとする。コロナで突然死ぬなんて交通事故で死ぬようなもので、がんで死ぬ方がまだマシなような気もしてくる。