30代がん闘病記

2014発病・入院 → 2016転移・再入院・離婚 → 2018再出発 → 2022再々発 → 2023入院

がん患者が選ぶ「がん保険」

前置き

さて、いきなりメインディッシュの「がん保険」です。お金がない人は、最低限これだけでも入っておくのが良いのではないかと思っています。
がん保険」に入る際に検討すべき項目は以下の4つです。

診断給付金

がんと診断されたら一時金で受け取れる給付金です。日額給付金の100倍のものが一般的です。日額1万ならば100倍の100万円貰えるということです。私の保険は入院しないと診断給付金は貰えませんが、最近の保険は診断された時点で貰えるものが増えているようです。(なので入院中の私はまだ頂いておりません)

手術給付金

手術をしたときに貰える給付金です。日額給付金の10・20倍のものが一般的ですが、これは余り気にしなくてよいでしょう。「診断給付金」「入院給付金」をメインにがん保険を検討しましょう。

入院給付金

日額1万円のものが一般的です。「医療保険」は支払日数の上眼が60日であることが多いですが、がん保険は日数無制限が一般的です。 

がん先進医療給付金

「陽子線治療」「重粒子線治療」など、保険が効かない先進医療を実費で支払ってくれる特約です。最近のがん保険では強制的に付いてくることが多いようです。上限は大体1000万円ですが、最も高額な陽子線治療・重粒子線治療でも300万円程度なので、使い切ることはまず有り得ないでしょう。

 

がん保険」加入時の注意点

「上皮内新生物」について

2000年以前の古いがん保険に入っている方は、「上皮内新生物」に保険が下りない可能性があるので再度調べたほうが良いでしょう。「上皮内新生物」とは医学的には「浸潤」していない状態のがんで、治癒率が極めて高いことが特徴です。

古い保険で何100万も払っていて、いざ「がん」になったら、上皮内新生物だったので保険が下りなかったという話は良く聞きます。本来は上皮内新生物で済んだ場合は喜ばしいことなのですが、保険が絡むと心情的には複雑になるものです…。最近のがん保険は上皮内新生物でも「悪性新生物」いわゆる「一般的ながん」と同等の扱いをするものが多いですので、気になる方はチェックしておきましょう。

 

「先進医療を受ける可能性」について

先進医療は実際に受ける確率が極端に低い(がん患者150万人中3000人程度)ため、入る必要はないという論調も一部ではあるようです。しかし、致命的なリスクに対するバッファという「保険のあるべき姿」に照らし合わせた場合、確率が低いからこそ入っておくべきだと私は思います。

「保険」には入るべきだけど「先進医療特約」は削るべきと主張する人は、目先の100円引きのために20km先のスーパーに車で行く主婦と行動原理がよく似ています。「先進医療特約」をケチって削るならば、そもそも保険に入るべきではありません。

 

「先進医療特約の付与先」について

一応注意すべきなのは、がん保険につけた「先進医療特約」は、がんの治療で先進医療を受けた場合のみ保障されるという点です。がん以外の病気にかかって先進医療を受けることになった場合、保障されないことになります。と言いつつも、がん以外の先進医療はさほど高額なものは無いので、この点はあまり気にする必要はないと思います。

ですので、医療保険にも入る可能性があるという前提ですが、がん保険は「先進医療特約」の付いていないものに入って医療保険に「先進医療特約」を付けてもよいかもしれません。これだと、がん以外の先進医療にも対応できます。私は医療保険に付けていましたが、30歳の時点で月額80円程度で済みました。

 

「免責期間」について

がん保険には、加入してから90日間の免責期間があるものが殆どです。大手の保険からの切替を考えている場合、先にがん保険だけを先行して加入して、空白期間を作らないようにした方が良いでしょう。

 

オススメの「がん保険

AIG富士生命」の「がんベスト・ゴールドα」でしょうか。

今のところベストの「がん保険」でしょう。通常のがん保険は、上記の4つが強制的にセットされていることが多いですが、この保険は「診断給付金」のみで加入できることが特徴です。最近のがん治療は通院メインで済むものも多いので、「入院給付金」が貰えなくて悔しい思いをするよりも、「診断給付金」だけスパッと貰って治療に専念!と分かり易いのが魅力的です。300万円まで保障額を設定できます。「がんになったら以後の保険料を免除」してもらえるのも特徴です。

「クレジットカード払い」にも対応しているのが地味に嬉しい所です。 

 

私が入っている「がん保険

因みに、私が入っているがん保険は「日本興亜生命」です。「あれ?」って思われた方、正解です。今は「損保ジャパン」と合併してしまったため、年末調整で長すぎて書けないと悪名高い「損保ジャパン日本興亜ひまわり生命」になってしまいました(笑)

30歳男性・月額1750円で給付金100万・日額1万の「終身がん保険」でした。これは圧倒的に割安・シンプルで本当に「良い保険」でした。ただ「良い保険」は保険会社にとって利益が少ないため、合併後は確実に売り止めになってしまうと思われたので、私は合併直前に焦って入りました。案の定無くなってしまいました。

これに現在一番近いのは「アクサダイレクト生命」の「カチッと終身がん保険」でしょうか。「先進医療特約」を付けない場合、30歳男性・給付金100万・日額1万で「1220円」という恐るべき安さです。但し、こちらは診断給付金は1回のみです。

 

正直余りおすすめできない「がん保険

アフラック

アフラックがん保険の最古参として有名ですが、基本保障で診断給付金が1回のみであること、上皮内新生物は診断給付金が1/10に減額されることからあまりお勧めはできません。特約を500円程付けると複数回の診断給付金に変えることができるようです。あと、最古参なだけあり改定を何回もしているようで、内容が複雑です。

また、CMをバンバン打っているので結構保険料が割高だと思います。CMを打っている保険会社には、基本的には余り入らない方がいいですね。アフラックブラックスワンは、実は我々に真理を教えてくれていたのでした。 

 

定期付き終身保険に特約として付けたがん保険

漢字系生命保険会社の典型的な商品です。日本人の半数以上が何も考えずにこのタイプの保険に入っていると思います。多分、生保レディーも完全に内容を理解できていないはずです。これがさらに「アカウント型」だったら文句なしに最高に最低ですね。即座に解約することをお勧めします。

これは「主契約の終身保険」についた「特約」ですので、終身という概念がありません。一生払い込まないといけないということです。主契約の保険料払込期間が終わったとしても、「特約」の保険料は支払わなければならなくなります。しかも「特約」なので「主契約」を解約してしまうと、一緒に保障が切れてしまいます。がん保険・生命保険・医療保険と分けてはいることができないのです。

但し解約するときは、「新規に契約したがん保険」の90日の免責期間が過ぎてからにしましょう。焦る気持ちは分かりますが、空白期間ができないようにケアして下さいね。

 

おまけ(一番おすすめかも?)

これはちょっと例外的なのですが、「住宅ローン」を組む予定がある方なら、「疾病特約」を付けるという手もあります。これは種類にも依りますが「がん」になったら、住宅ローンの支払いが免除されるというものです。大体、2000万円の20年ローンで月額3,000円くらいで入れる様です。値段の割に補償が非常に大きいですので、住宅購入時に併せて検討するのも良いかもしれません。

月の支払いは定額となりますが、住宅ローンの残債は年々減っていくので、結果的に免除される金額は減っていくことになります。どちらかと言えば「収入保障保険」に近い使い方かもしれません。結構面白い使い方ですね。

私の隣の患者さんは、その保険に入っていてローンが免除されたようです!
「得」をしようとする気持ちを持っては駄目ですが、正直うらやましい(笑)