何でも無いようなことが、幸せだったと思う
残念ながら、ロードの第二章ではなくて、闘病記の第二章のスタートのお知らせ。
実は先週の受診で、リンパのしこりに転移の疑いありということで細胞検査をしていたのだが、結果はクロで案の定転移していた。まあ、人生そんなものだよね。今回は抗がん剤も使わず、外科手術によってがんを取り除くらしい。前回の抗がん剤・陽子線メインの治療とは全く違うものになる。僕は体にメスを入れた経験が全くないので、恐々としている。首筋だから傷跡も目立つだろうな。
多分死にはしないだろうけど、今度はいよいよ「社会的に」死ぬかもしれない。
明るく行きたいけど、今回ばかりは流石に参ったというのが本音だ。
転移の告知を受けた後、入院の手続きを済ませて、悄然とした気持ちでがんセンターからのバスに乗り込むと、たまたま小さい頃に住んでいた家の近くの港を通過する便だった。懐かしい気持ちになって何となく港で降りてみることにした。
僕はこの港が好きだった。小さい頃に両親にせがんでよく連れてきてもらったものだ。港の近くのパン屋であんパンを買ってもらうのが楽しみだった。僕は大人になればこんな「普通」の日々が当たり前の様に手に入るものだと思っていた。しかし「普通」に生きることがこんなにも難しいものだったとは。
港で見上げる空は昔と変わらず青かった。