放射線終了から58日目。
以前に東京国立博物館で開催されていて、見に行きたいと思っていたのだけど、陽子線治療が終わった直後ということもあって叶わなかった。しかし、まさか東京の次に福岡に来るとは。太宰府の博物館であるという「格」があったから2番目に来てくれたのだろう。太宰府と道真公の威光は1000年経っても健在なのだ。
決して体調はいいとは言えず、むしろ最近は悪いほうではあるが、二度とない機会なので無理を押して見に行くことにした。休日だと確実に混むので、病人の特権を活かして、空いている平日のど真ん中に行くことにした。
行ってみて初めて知ったのだが、何と前期と後期に分かれていて、2回来ないと巻物全部を見ることができないらしい。やり方がセコくないですか?
前半後半に分けなければいけないほど長い巻物なのかと思いきや、2~3分程度で見終わってしまった。後ろから係員が早く移動するようにと急かすこと急かすこと。後は抱き合わせの展示物が延々と続く。一回で全部見せてくれてもバチは当たらないだろうにね。この国で芸術家が育たない理由もこういう小さなところからも垣間見える気がした。
平日と言えどもそれなりに待ち時間が長かったので、見終わった後は疲れてぐったりしてしまった。しかし、この疲労に見合うだけの価値があったかと言えば、正直微妙ではある。これから見に行こうと思っている人には余りお勧めできない。
誤解の無いように言うが、展示物自体は素晴らしく、半分であろうとも見る価値があるものだ。ただ、運営が残念でならない。価値をまさに半減させている。
とは言えこの体調の中、無理を押して見に行った僕には多少のご利益があるに違いない。きっと極楽浄土に行けることだろう。いや、半分しか見れていないから行けるのは半分か(笑)