キイトルーダ8回目の投薬日であった。もう8回目なのだ。
投薬中に隣りで同じ薬を打っている患者さんが言っていた。「この薬は根本的に病気を治す治療ではないからね」と。僕もそう思う。しかし、効果がないと薄々気づきつつも、続けていくしかないのだ。もう僕の「シュレディンガーの猫」は箱の中でとっくに死んでいるのだろう。そして、毎月大枚をはたいて投薬を続けることで、箱の中の結論を観測しないで済む権利を買っているに過ぎないのだ。
最近はほとんど形に残るものを購入しなくなった。理由はお分かりだろう。僕はこれから緩やかに来るべき日に向かっていくのだ。その覚悟をしておかなければならない。
僕はこれ以上ないくらい頑張っただろう。
最近は精神的にも肉体的にも大分弱っている。