30代がん闘病記

2014発病・入院 → 2016転移・再入院・離婚 → 2018再出発 → 2022再々発 → 2023入院

2023/2/3 入院3日目

今日より抗がん剤の開始である。

投薬するのは、いつものシスプラチンだ。いつもの…とは言っても、もう8年前だが、こんな感想を書いたことを思い出した。我ながら、なかなかの名文である(笑)

毒物を体に入れるのは余り気分のいいものではない。看護師さんがシスプラチンを点滴に繋ぐときは、ゴム手袋に安全メガネという完全防備をしている。そんなもんが身体に良いと思えるわけがない。「大丈夫ですよ~」とおっしゃるが、いっそのことドクロマークでも付けてもらった方が清々しい気さえする。

調べてみると、このシスプラチンという抗がん剤は、プラチナの錯体であるらしい。僕の記憶が確かならば、そもそもプラチナと言うヤツは相当に安定な物質で、イオン化傾向の最後に出て来るくらい独り身が好きなヤツなはずだ。

そんな独り大好きな安定物質が、無理やり手を組まされて不安定な状態になって、体内に注入されると暴れまわるという図式は何となく想像ができて面白い。そんな事情を知っていると「おお、白金のヤツ暴れとるワイ」と鷹揚に構えることができるのかもしれない。

白金が高騰しているときはこの薬剤も高値になるのだろうかと考えたりするのもまた一興。きついことには変わりはないのだが、貴金属を体内に注入していると考えると、また気分も違うのではなかろうか。同じ酔うにも「大五郎」で酔うよりも「マッカランの25年」で酔いたいと思うのは人情だ。

2/10 11D:プラチナ - 30代がん闘病記

 

前回もそうだったが、今回も投薬後は相変わらず胃がムカムカする。しかし、不思議だが懐かしい感覚でもある。当時の僕はこの不快感を、未来へ向かうための必要な犠牲と前向きに捉えていたのだ。今の僕にとっては、絶望感を増幅させる単なる苦痛であるが。

そういえば、今日は節分であった。

まさに鬼退治の始まりだ。