今日は3クール目の退院日である。
いつもより少し早いが、今まで2クールの傾向から特に問題はないでしょう、との担当医の先生の見立てだ。僕も同感である。何より少しでも娑婆の時間が長いほうが嬉しい。桜で世間が春めいて、気分が高揚している時期はなおさらである。
3回目ともなるとそれなりにルーチンが出来てきて、今の抗がん剤と僕の体の相性を理解した上で、体調管理・毒抜きの対応もできている。
そんな中ではあるが、今回の退院後に一度化学療法を中断して、放射線治療の一種であるサイバーナイフを実施することになった。リンパ節には確実に転移しているのだけど、それ以外に眼球圧迫や鼻水大量噴出の原因となっている、副鼻腔での膿溜りもガン由来が疑わしいので、そちらを先に叩いておこうという判断である。
実は2クール目の最中に提案を受けたのだが、以前の陽子線と放射線の副作用のトラウマが大いにあり、これ以上の放射線治療には二の足を踏んでしまったため、即断は避けて保留状態とさせてもらっていたのだった。
2回目の自宅療養期間でずっと色々と考えて、これはもうやったほうがいいだろう、という結論に達した。サイバーナイフは、僕の最大のトラウマである放射線よりは副作用が少なそうである。放射線照射量の上限にも引っかからないように、ギリギリ何とか選択的な照射もできるようだ。
仮に4回目を受ける不運に遭ってしまったとしても、僕ももうこれ以上、自分の体を痛めつけることはしない。これが最後の放射線であろう。
頭のソフトウェアだけで底辺からのし上がって
頭のハードウェアの不具合でまた叩き落される
頭に振り回される人生である
帰りは不安だった車のエンジンも無事に掛かってくれた
僕の体と同じく、もう少し持ってくれよ