2回目だと特にまだ身体に影響は出てきていない。
治療自体は20分で、リハビリも終わってしまえば特にやることもない。Netflixでも契約して映画でも見ようと思ったが、余りそういう気分にもなれない。本当に無気力状態である。もう心が死にかけているのではないだろうか。
暇に任せて、病室から外をボーっと眺めることが多くなった。窓からは幹線道路が一望できる。走る車の一台一台が、酸素を運ぶ赤血球のように、自らの目的を明確に持って移動しているように見える。そして、僕だけがこの風景で役割を果たしていないように思えてくる。僕の人生の役割は一体何だったのだろうか。
陽子線の実験台になるため?
親を死ぬまで養うため?
会社で使い潰されるため?
ここで早世したほうが、人の記憶に残り、まだ意味があるように思える。