昨日は疲れていて20時に就寝したが、25時に目が醒めてしまった。
病院だと2時間おきに、生存確認のために看護師さんが部屋に入ってくるので、そのせいで頻繁に目が醒めてしまう。なので、退院してからしばらくは、短いスパンで睡眠を繰り返すクセが付いてしまっているのだ。
身体を起こすと、ダルさは昨日ほどではなさそうだ。習慣でコーヒーを飲みたくなるところだが、まだ刺激の強いものは飲まないほうがいいだろう。やることが無いので、オールナイトニッポンを聴くことにした。深夜ラジオなんて何年振りだろう。学生時代は一夜漬けの勉強のお供としてよく聞いていたものだ。
Radikoを媒体にしてラジオを聴く現在では味わえない経験だろうが、ラジオ機だとAM周波数のチューニングが必要で、なかなか波長が合わず、ロシア語だったり、韓国語だったり、外国の電波を受信することがあった。それが宇宙人と交信しているようで、深夜のテンションと相まって妙に楽しかったことを記憶している。
ラジオを切れば、そこは深夜の静寂だ。今は抗がん剤の副作用で耳鳴りの高音だけが僕の頭の中に響いている。まるで本当に宇宙人とでも交信しているかのようだ。
こんな状況でよく気が狂ってしまわないものだと、自分でも不思議になる。いや、自分がそう思っていないだけで、傍から見ればとっくに気が狂ってしまっているのかもしれない。こうやって、今書いている文章だって、他人から見れば得体の知れない文章に見えている可能性だってあるわけだ。
そんなことを考えていると、少しずつ眠気に包まれ、座椅子で1~2時間うつらうつらして、丁度いい睡眠時間となった。
その後、日課の鼻うがいをしていると、鼻から得体の知れない大きさの肉片のようなものが飛び出してきた。がん細胞そのものではないが、それに準ずる良くない細胞の一部だろう。陽子線の時も似たような経験があった気がする。
その肉片は小さな宇宙人のようにも見える。まるで頭の中の寄生生物のようだ。いや、本当に寄生されていたのかもしれないな。そういえば耳鳴りも収まっている気がする。これで憑き物が落ちてくれればよいのだが。
さあ、朝ごはんに消化のいいプリンでも食べようか。