30代がん闘病記

2014発病・入院 → 2016転移・再入院・離婚 → 2018再出発 → 2022再々発 → 2023入院

2014-01-01から1年間の記事一覧

12/31 7D/4W:師走

「師走」と言えば「先生も走り回るくらい忙しい」が、病院では先生・看護師と言えども仕事納めで、流石に気もそぞろといった雰囲気だ。年末の浮ついた気持ちはよく分かるので、多少なおざりな対応でも仕方がないと思える。むしろ今日まで診て頂けることに深…

12/30 6D/4W:フードアスリート

1クール目にもまして病院食を食べることができない。抗がん剤の影響によって味蕾が大分失われているようで、ハッキリとした味のものしか受け付けない。舌を見たら苔が無くなってツルツルになっていた。病院食はただでさえ味が薄いので、何を食べていても、糊…

12/29 5D/4W:同郷

今日は雨の中、大学時代の同期が見舞いに来てくれた。彼とは大学で同郷ということで意気投合し、入学以来もう10数年の付き合いになる。 色々と近況報告もしながら、お互い希望を持って上京してきた同じような境遇から、病気を含め、ここまで状況が変わってし…

12/28 4D/4W:見舞いの流儀

今日は仕事帰りに社長が見舞いに来てくれた。買収した会社の視察・指導の帰りとのこと。最近の会社の状況を教えて頂いたが、相変わらず儲かっているようで何よりだ。入院しているからボーナスを貰えないかと思っていたが、ガッツリ頂けた。そして、社長から…

12/27 3D/4W:病人のジレンマ

前回のクールの病室は最悪だったが(その1・その2)、今回の病室は素晴らしい患者さんが揃っている。部屋で携帯電話で大声で話したり、看護師に我が儘を言ったり、大音量でラジオを聴いたりする輩など一人もいない。お見舞いにいらしているご家族も、皆周…

12/26 2D/4W:謎の魚

僕が入院している病院では「メルルーサ」という謎の魚が高い頻度で配膳される。その得体の知れない名前は、それだけで僕の食欲を著しく減退させる。別に味は普通で「タラ」に近いなと思って食べていたが、実際調べてみると「タラ」の一種だった。それだった…

12/25 1D/4W:点滴開始2

治療初日は前回同様、朝6時から夜9時までひたすら点滴メドレー。久々に点滴に主人の座を明け渡す日がやってきた。ご主人様宜しくお願い致します。 午後に、先日来てくれた親戚がお見舞いに来てくれた。またお土産で大量の水を頂き、3時間くらい話し込んでし…

12/24 2クール目前夜

今日からがんセンターに戻って、明日より2クール目の開始となる。 基本的に1クール目と同じ状態を繰り返すとのことで、余り心配はしてない。前回同様、途中で内臓の動きが悪くなって食事が摂れない状態が起きると思うので、今回は早目に「マグラックス」とい…

12/22 7D/3W:結婚

本日結婚をした。 病院近くの役所に行って、婚姻届を提出してきた。 僕はこの病気になって、人は一人では生きて行けないことを実感した。かと言って、付き合っている彼女に病気の重荷を背負わせるわけにはいかない。なので別れようとしたこともあったが、結…

12/20 5D/3W:元同期

会社の元同期4人がお見舞いに来てくれた。「元同期」と書いたのは、僕は新卒で入った会社を退職しているからだ。前職は大企業でスーパーホワイト企業、そして絶対に潰れない会社だったと思う。ああ勿体ない(笑)周りの人は皆そう言うし、我ながら新卒ではい…

12/19 4D/3W:技術者

会社の先輩2人がお見舞いに来てくれた。がんと判明する前に、僕を含めたこの3人で仕事をしていたことがあり、30代・40代・50代と皆年齢はバラバラではあるが、気の合うメンバーとして上手く稼働して、それなりの成功を収めた。高々数か月前の話だが、もう遥…

12/17 2D/3W:リフレッシュ

今日は病院の近所に住んでいる親戚の方が見舞いに来てくれた。 「遠くの親戚より近くの他人」とはいうが、「近くの親戚」というのは本当に有り難いものだと身に染みて感じる。因みに親戚内で貧乏なのはうちの実家ぐらいのもので、他の親戚は社会的に成功を収…

12/16 1D/3W:坊主と禿の間

昨日で1クール目の抗がん剤の服用は終了している。体内に毒物を入れなくて良いというのは、やはり気分がよいものだ。 今日は投薬後の状態を見るために、がんセンターに行って血液検査をした。白血球のレベルも抗がん剤投与患者の許容範囲内で、特に問題はな…

12/15 7D/2W:強迫観念

今日で1クール目の抗がん剤(TS-1)の服薬が終了する日だ。とは言っても、このTS-1と僕の相性は良いらしく、服用しても殆ど副作用らしい副作用は起こっていない。髪の毛は抜け始めているが、それはどちらかかと言えば、最初に打った点滴の抗がん剤の方の影響…

12/14 6D/2W:脱毛開始

昨日の今日だが、いよいよ脱毛が始まった。最初の抗がん剤投与から2~3週間後に脱毛が始まると言われていたが、予定より1日早く抜け始めるというところが、せっかちな僕の毛らしいところだ。 毛の濃さには自信があったが、毛が濃いからといって脱毛しないと…

12/13 5D/2W:覚悟

今日は会社の先輩がお見舞いに来てくれた。先輩とは言っても僕より20歳上の方で、どちらかと言えば父親みたいな人だ。数回一緒に仕事をしたことがあるが、僕もこのような年の取り方をしたいと尊敬できる素晴らしい方だ。 差し入れとして、500mlミネラルウォ…

12/12 4D/2W:快適すぎる

今日は何事もなく、心穏やかに過ごすことができた。外出許可をもらってショッピングモールで買い物をしたが、先日のような発作は起きなかった。うーん、上手く行きすぎて逆に不安だ。もう毒々しい文章が書けない。 病院が快適すぎて魂が浄化されていく。

12/11 3D/2W:転院

今日から国立がんセンターを出て、別の病院に転院する。 自宅に戻っても構わないのだが、自宅は病院から2時間の距離で移動に体力を使う・自宅に戻っても誰もいない・食事の準備が面倒・何より一人で居るときに先日のショッピングモールの様なことがあったら…

12/10 2D/2W:治療経過

最近は治療について殆ど言及していなかったが、特に言及がないということは順調だと思って頂いて差支えない。2週目からは点滴なしでTS-1という抗がん剤の服用のみになっている。抗がん剤の典型的な副作用は、脱毛・吐き気・倦怠感・食欲不振…だが、まだこれ…

12/9 1D/2W:新しい部屋模様

昨日新しい病室に移動したが、ここでも平穏は訪れそうにない。 僕の正面には「イビキ野郎」がいて、隣には「問題児」がいる。「問題児」と言っても勿論年寄りなのだが、モンスター患者という程のレベルではないが、看護師に対しては、薬を飲むのをグズったり…

12/8 7D/1W:睡眠剤

昨日は外出で非常に疲れていたにもかかわらず、イビキ野郎が最高にうるさく全く眠りに付けなかったので、人生で初めて睡眠剤を使用した。お陰で強制的に眠りにつくことはできたが、朝の寝覚めがいまいち良くない。頭が重い感じがするし、今でも少し重い感じ…

12/7 6D/1W:現世と隠世

昨日の夜で点滴が完了し、やっと主人の座が僕に戻ってきた。 がん治療と言ってもその方針は患部や重篤度によって様々だが、僕の場合は、3週間の固まりを3クール=9週間に渡って投薬治療をすることになっている。そして、3週間の1週目は点滴メイン・2週目は投…

12/6 5D/1W:PC故障

本日、突如PCが動かなくなってしまった。(現在は復旧している)以前も同様のトラブルは発生していて、スリープ状態でしばらく放置しておくと、電源ボタンを長押ししようがウンともスンとも言わないという現象である。これはPCメーカーもオフィシャルにバグ…

12/5 4D/1W:病院食の酢豚はマジで不味い

今日は副作用のせいなのか全体的に体が重く、食欲も余り湧かなかった。そして、食欲が無いにも関わらず、夕食に「酢豚」が出てきたことは僕を絶望的な気分にさせた。ただでさえ僕は酢豚が嫌いなのだが、病院食の酢豚はこの世で一番不味い食べ物ではないだろ…

12/4 3D/1W:新入り患者

新しく隣に来た患者のイビキが凄まじくて困っている。僕が入院しているのは「がん」センターではあるが、がんでない患者さんも普通に入院してくる。その人が「がん」なのかどうかは入口に貼ってある担当医の数を見れば瞭然で、「がん」患者の担当医は明らか…

12/3 2D/1W:副作用?

朝起きると体がかなり重くだるく感じた。これが副作用?と思ったが、体重を測ると点滴のせいで体重が一日で1kg程増えており、どうやら物理的に体が重くなっていたようだ。翌日なので副作用は出ない可能性が高いのだが、まだ出ていないということはそれなりに…

12/2 1D/1W:投薬開始

治療初日は朝6時から夜9時までひたすら点滴メドレー。これだけ長くやっていると、もはや点滴のほうが自分の本体で、僕はそれに付き従うサーバントではなかろうかという気持ちになってくる。「点滴ノイローゼ」という言葉もあるくらいなので、長期間に渡ると…

12/1 入院初日

今日より入院。滞在先のホテルから病院に向かう時に、新入社員のときに初めての出張で、出発時に何となく不安になったあの気持ちを思い出した。最近は味わっていなかった感覚で、不思議ととても懐かしい気持ちになった。きっとここから僕の新しい人生が始ま…

11/30 ニートから患者へ

会社を休業してもうすぐ1カ月、毎日ほぼ何もしていない。毎日ネット見て本読んでダラダラするだけの高等遊民。だけども傷病手当で給料の2/3は毎月保障されるわけで、労働に対する対価でなく金を得ることができる。これが実に気持ち悪くて仕方がない。もはや…

11/26 種の保存

がんセンターで紹介された病院に精子を冷凍保存に行ってきた。基本的に生殖外来というのは女性が多いようで、待合室の中でも男性は自分ひとり。明らかに浮いている。「掃き溜めに鶴」ならぬ「鶴溜めにゴミ」というところだろうか。 しばらくすると唯一の男性…