地獄のような夜が明けての朝である。
辛うじて寝ることはできたが、頭痛やら術後痛やらの痛みで落ち着かない。口の中は血の塊がゲル状になってへばり付いており、非常に気持ちが悪い。
術後明けからの最初の目標は、まずはカテーテルを抜くことである。これを付けていると、肉体的にも精神的にも、いかにも病人然としてくる。午前中にようやくカテーテルを抜いて、自分の力で小便に行けるようになると、人間としての尊厳を取り戻したような気持ちになった。
しかし、まだこれで終わりではない。点滴、ドレン、鼻に詰まったガーゼも残っている。これらが一つずつ取り除かれることで、人間に近づいていくのだ。
次は、点滴とドレンが取れるのが目標である。