凄まじい悪夢を見続けた。
口の中にひたすら砂を詰め込まれる夢である。うなされて目が醒めると、喉がカラカラにになっており、口の中に凄まじく粘度の高い唾液がへばりついている。おそらく抗がん剤の影響であろう。ようやく寝付いたかと思うと、また夢の中で砂を詰め込まれて喉がカラカラの状態で30分で目が醒める。この繰り返しである。
また、外科手術から派生する神経の痛みのせいで、同じ体勢でいるとすぐに痛みで目が醒める。痛みで目が醒めているのか、喉の渇きで目が醒めているのか、よく分からない。そもそも、起きているのか、寝ているのか、夢なのか現実なのか分からない。
生きているのか、死んでいるのかすらよく分からない。
ただ地獄に近い場所であることだけは間違いないだろう。