30代がん闘病記

2014発病・入院 → 2016転移・再入院・離婚 → 2018再出発 → 2022再々発 → 2023入院

2022/4/15 キイトルーダ3回目と焼け太り

今日はキイトルーダ3回目の投薬日であった。3回に1回は効果測定のためにCTを受けることになっているため、採血・採尿→レントゲン→診察→キイトルーダ投薬→CT、かなりのハードスケジュールである。家を出たのが朝8時で、帰ってきたのが16時、と丸1日病院に居たことになる。もはやプロ患者といっても差し支えなかろう。

プロ患者と言えば、今回は2年以上を空けての再発ということで、がんの保険金が再び下りた。新車の軽自動車が買えるくらいの額だ。僕の場合、入院する度に資産の最高値を更新するという不思議な現象が起きる。今回も、保険金の支払いに加え、円安や株価復調もあり、資産額の過去最高値を更新した。

まさに焼け太りである。

 

どうせ長生きなどしないのだから、散財でもしてしまおうか、とも思ったりするのだが、50代・60代だったらいざ知らず、40代の僕は「生き残ってしまった」場合を考えると、やはり散財もしにくい。ということで、今は働けるだけ働いて、働けなくなった時のために金を貯めておく、という何ともつまらない結論に落ち着くのだ。

しかし、この金を遣い切らないで僕が死ぬ、となると話はまた面倒ではある。

母親が生きているときに僕が死んだ場合は、何の心配もないのだが、母親が死んでしまってから、僕が死ぬという場合は、遺産について色々と考えねばならない。この場合だと、両親死亡で、僕に配偶者と兄弟姉妹はいないため、法定相続人なしということになろう。

こうなると、親戚の誰に渡しても後腐れがありそうだから、伯母(父親の妹)に墓を管理してもらうために遺産の一部を負担付死因贈与契約して、残りは「がんの子どもを守る会」にでも寄付するのが一番後腐れが無いかと思っている。

2022/3/25 キイトルーダ2回目と金勘定

今日はキイトルーダ2回目の投薬日である。キイトルーダは3週間おきに投薬する決まりになっている。1回目の投薬の後、少し疲れやすくなった気もするが、副作用ではなく気のせいだろう。むしろ仕事の負荷が及ぼしている影響の方が大きい気がする。

今回も淡々と投薬を済ませて終わり。相変わらず副作用らしい副作用はなし。投薬も2回目であり、今のところ治療に関しては正直余り書くことがない。とは言え、オプチーボやキイトルーダを検討している人だけでなく、健康な人でも気になる話題といえば、やはり治療にかかる「金」の話だろうから、少し触れてみようと思う。

 

1回目の支払いはキイトルーダの投薬と有料ベット代金込みで20万円程度であった。そして、今回の支払いはキイトルーダの投薬のみで14万円程度である。今後はこの負担が3週間に1度のしかかってくるのだから、通常ならば高額療養制度の事前申請をしておかないと、キャッシュフローがかなり厳しくなるだろう。

肝心の僕はと言えば、来るべき再発に備えて、金銭的な備えは万全にしていたし、2年以上間をおいての再発と言うことで、再びがん保険の一時金が下りるので、キャッシュフローに関しては特に問題がない。

ということで、今回もあえて高額療養制度の事前申請をせずに一旦は全額を払って、クレジットカードのポイントを貰うことにした。以前も書いたと思うが、人生はこういう数%の積み重ねが複利で効いてくるのを僕は知っている。

 

そして、さらに助かるのが、僕が今所属している会社の健康保険だ。高額療養費制度の上乗せの独自の制度として、数万円を上限とする制度がある。この金額を具体的に明かすと、僕の所属企業がバレてしまう恐れがあるのでボカしておくが、仮に3万が上限だとしておこう。すると、ある月に40万の医療費の支払いがあったとしても、数か月後には37万が返ってくるという素晴らしい仕組みだ。本当に助かる。

 

闘病中に金の心配が全くないということは、本当に有難いことである。以前にも書いたかもしれないが、ガンなど難病の悩みの大部分は、(病気そのものはさておき)金銭関係と家族関係に尽きる。しかし、僕は離婚により家族関係の心配はないし、上記のように金銭的な問題もないため、治療に専念できるというわけだ。(仕事の悩みは尽きないが)

日本の保険制度は本当に素晴らしい。僕は日本に生まれていなければ、とっくに医療費で破産して、そして野垂れ死んでいただろう。

2022/3/12 初回投薬後1週間

投薬から1週間経った。不調らしい不調は今のところない。ただ、細かいところでは、デキモノや口内炎ができやすくなった気がする。あと、気分的な問題かもしれないが、疲れやすくなったような気がするし、全体的に筋肉が軋んでいるような気もする。

とは言え、退院後も普通に働いているから、我ながら大したものである。

 

来年度から役職が上がる。今までも勿論難しい業務ではあったが、淡々と自分のペースで進めればよかったし、仕事が終わればサッサと帰宅できた。しかし、今後はそうは行かない。部署間の調整をする業務がメインとなるが、大企業は社内人脈で仕事を回していく必要があるので、僕のような中途採用には厳しいだろう。体力的・精神的に参ってしまわないか心配である。

正直なところ、この状況で出世などしたくはなかった。中途採用の病人などでなく、生え抜きの健常者を出世させてくれと思う。僕のケースを、中途だろうと、がん患者だろうと、分け隔てなく取り扱っているというポーズにでもしたいのだろうか。

もっとも、本来は病気の心配をすべきで状況ではあろうが、病気の心配ではなく、仕事の心配をしているうちはまだ大丈夫だろう。

2022/3/5 3日目(退院)

入院3日目。大きな副作用もなく比較的順調である。ということで、本日退院となった。

もう戻って来たくはないが、可能性はそれなりに高いだろう。

 

今回は体力的な負担が少なかったこともあり、今までで一番快適な入院だった。個室も取れたので、まるでホテル暮らしのようであった。また、ずっとコロナで籠っているので、会社以外の人と話したのも久しぶりだ。正直なところ、仕事もしがらみも何もかも投げ出して、ずっとこうしていたいとさえ思った。

体力的には当然消耗しているが、精神的にも大分疲れているのだと思う。

2022/3/4 2日目(キイトルーダ1回目)

今日はキイトルーダの初回投薬日である。

これまでかなりの抗がん剤を打ってきたベテランとも言える僕だが、今回は全くの未知の薬ということで、投薬前はそれなりに緊張した。個々の発生確率は低いが、以下の通りありとあらゆる副作用の可能性がある。最も確率が高く、かつ、恐ろしいのは、間質性肺疾患というヤツである。

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出典:https://www.keytruda.jp/index/side_effect/

 

投薬後5~10分が最も副作用が出る可能性の高い時間帯とのことであるが、取りあえずは何事もなく乗り切ることができた。そして、13時に投薬して、20時の時点でこの記事を書いているが、現在も特に副作用は出ていない。コロナのワクチンと言い、副作用が少ない体質のようで助かっている。

ひとまずは、最初で最大の山場は越えた感がある。もっとも、長期的なスパンで数々の副作用が出ることもあるらしいので、まだ油断は禁物ではあるが。

 

因みに、ここ数日のブログのアクセス数が急激に増えている。

やはり皆、他人の不幸が好きなのかね(笑)